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     天と地を結ばむとただひたすらの落葉針葉樹林のわうごん



針葉樹の黄葉がせつないのは、なぜだろう。

ストイックな精神性を感受してしまうせいだろうか。




往路、関越道から上信越道へ。
群馬県と長野県をまたぐトンネルを抜けると、山の景色が変わる。
広葉樹よりも遅れて黄葉する、からまつなどの落葉針葉樹の一帯が、あちこちに輝く。


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この風景に出会うと、ああ、信州に来たなぁ。と思うのだ。


一路、飯山市へ。

紅葉には少し遅い時期だけれど、車窓を流れてゆく林檎の真紅の実りや
関東では見られない鮮やかな朱を散らさぬままに華やいでいる桜並木に、
眼を奪われながら。

豊田飯山インターを下り、国道をゆく。
畑だけでなく道路沿いにも、野沢菜の丈夫そうなくすんだ緑が茂っている。


予定通り、午後三時に斑尾高原のペンションに到着。

ここに泊まるのは何年ぶりだろう。
斑尾の夏の風物詩となっていた斑尾ジャズフェスが最後に開催されたのは2003年だから、
それ以来というわけだ。

2001年も2002年も、それぞれ違うペンションだった。

2003年に泊まった此処は、ペンションの密集地帯から離れて、落ち着いた場所にある。
なにより、オーナーのご出身が我が家と同区とのことだったので、親しみを感じていた。

「次回もここに泊まろうね」と話していたのに、ジャズフェスが開催されなくなり
名前も忘れてしまった。
それが、今回の斑尾行きで、オットがいきなり思い出したのだ。

ロッジケルン


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部屋の窓からの眺め。正面に斑尾山が見える。
(白い建物は、お隣のペンションです;)


今回も、オーナーご夫妻(+3歳の活発な息子くん)に、とても温かな対応をしていただいた。


夕方、私のいにしえの友と落ち合い、食べて飲んで歌いまくり、気づけば午前1時過ぎ。


最初のお店は、落ち着いた和風居酒屋さん。

大根と牛スジの煮込みも、モツ煮も、生蛸の石焼も・・・ほかいろいろ、どれも上品な美味。
最後に、あの富倉蕎麦も、出していただいた。
富倉蕎麦の三大名人のお一方の、直伝だそうだ。

ということは、富倉まで行かなくてもここであの蕎麦が食べられるのか。

・・・たしかに!

さすが、美味しい。
2年前の、あの富倉蕎麦を初めて食べたときの感動が、蘇った。


2軒目は、友も2年前のあの日に行ったきりだという、小奇麗なスナック。

貸切状態で、私たち世代の懐メロ(昭和歌謡縛り;)を歌いまくる。
・・・と、途中で来店された男性のプロまがいの歌声で、オットが気づく。

ああ、なんとなんと、2年前にもご一緒した、同世代(ちょい下)の方だ。
常連さんなんですね。
しばし一緒に盛り上がるも、そこそこの時間で帰られた。


さて、酔っぱらい二人に挟まれ、私は強靭なたがであらねばならぬ。

もう十分ぐずぐずなのにこの上まだ飲み&歌い狂うつもりらしいオットを店から引きずり出して
午前1時半頃友と別れ、斑尾高原まで標高差600mほど・・曲がりくねった暗い舗装路を
慎重に運転し、午前2時過ぎに無事ペンション到着。

泥酔野郎、玄関で靴を脱ぎながら体勢崩壊。。。
ここで気づいた。

ペンションの階段、おんぶしてもらうはずだったのに・・・
これじゃ、とても無理だ。。

それでも、私を支えるという使命感だけは失っていないらしく(「すでに本能。」←本人言)
1段1段、ゼェゼェ言いながら私のウエストベルトのあたりを両手で引き揚げて、フォロー。
部屋にたどり着くやいなや下着になり、即、泥酔は爆睡。。


翌朝9時過ぎ、山菜たっぷりの美味しい朝食をいただき、
デザートにりんごと、奥様手作り・地元産新鮮ブルーベリー入りパウンドケーキと、コーヒー。
とてもやさしいお味で、おいしゅうございました。

めいっぱい満腹でまた眠くなり、一眠りさせてもらって正午にチェックアウト。
朝食時間もチェックアウトも、スキーシーズン前の貸しきり状態のおかげで
オーナーご夫妻が融通を利かせてくださり、とてもありがたかった。


天気は、雨がぱらついたり、たまに陽が射したり。


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どんより天気のおかげで、こんな幻想的な風景が。・・・雲海を見ることができた。



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針葉樹林 on 野沢菜。



いよいよ富倉へ蕎麦を食べに行くのだが、いまだ満腹のため、腹ごなしに温泉へ。


道路を隔てて北竜湖を臨む、温泉&宿泊施設
ここは、前回私のためにバリアフリーのところをと、友がさがしてくれた温泉。


更衣室からは、落葉松の黄葉が眼前に。


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この落葉松林は、北竜湖畔へと続いている。



鎮もる北竜湖。


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  からまつの黄金ふるふるみづうみに魚のしろがね跳ねる一瞬




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(カメラ2つなので、色調がばらばらです。。つか、レタッチに統一感が皆無。。。)


 
そしていよいよ!
今回の長野行の目的である、蕎麦を食べに出発。

前回の店、はしば食堂・・・
あの絶品蕎麦と、ただの田舎の民家みたいな店がウリとなったか、
TV番組にもよく出るようになり、もうすっかり全国的に有名らしい。

が、そちらは、到着の頃にはもう終了しているだろうからと、別の店へ。
ペンションのオーナー推薦の、もう少し先にある長沢茶屋へ。
ここは6時まで開いている。

道は、前回の距離感より近く、あのときに感じたほど細くて急な感覚もなかった。
が、到着したそこは、すでに新潟県妙高市。
(いやそういえば、斑尾高原のペンションも妙高市だったっけ。。)

友と私は、あったかい鴨そば
オットはやはり、蕎麦そのものをしっかり味わえる、ざる大盛り

ん、ん、と頷きつつ(美味しいときの食べ様)黙々と食するオットに聞いてみると、

はしば食堂や昨晩の六兵衛の)富倉蕎麦とは
少し違う・・・カテゴライズするなら別
になるとか。

つなぎにヤマゴボウを使っているのは同じだし、もちろん、美味しさは負けず劣らず。

鴨そばも美味しかったけれど、おつゆの味が濃厚で、蕎麦自体の味はよくわからなかった。
が、食感は、熱い蕎麦でもしこしこつるつる!素晴らしい!!


店のオリジナル商品(蕎麦や瓶詰め)などを見つつ、しばしゆっくりしてから、
友があれこれおみやげを買ってくれて、帰路についた。



なんと今回は、夜中の斑尾高原以外すべて、オット運転。おつかれさま。
よくぞ飲まずに。・・・って、あの晩あれだけ飲んだら、、ね。。。



さく。ちゃん(?)、ありがとう~~~


また行くね!


でも・・・


今度は、こっちにも来ておくれ~