2008/06/26(Thu)挽歌 (1首追加)

真弓



   老衰のうつつをあはく眠りゐる猫の鈴の音なき五月闇


   唸るごと声しぼりつつ前足のふるへは床(とこ)の囲ひを掻きて


   仔猫なりし汝を愛でにし夫の手にただいつまでも撫でられてあれ


   死にちかき猫の泪をぬぐひしにかそか粘性ありてかなしも


   汝が面(おも)の遺影となるはかなしきにせめて汝が爪三日月を撮る


   おやすみとこころの裡につぶやきて汝を離れて玄関を出づ


   息絶ゆと知らせたまへる姑(はは)の声のかなしみに滲む疲労と安堵


   慰むることばよりなほ姑欲(ほ)るはねぎらふ言葉といたく思ひぬ


   夫おくり三とせを待たず猫看取り姑は介護の日々を終へたり


   さまざまの想ひをしづめ夜明かせば水槽に稚魚のなきがらふたつ


   水無月の底をなまなま横たはるこころに銀鱗生えくるを待つ






2008y06m26d_165021358.jpg






comment

何にも言えないや。
私も2年前にblueをおくったばかりだから。

文さんへ

・・・・文さんにとってのblueくんと、私にとっての真弓とでは・・・
その存在の大きさは、とても比べられるものではありませんから・・・

それなのにコメントくださって、ありがとうございます。

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本田鈴雨(ホンダスズメ)

Author:本田鈴雨(ホンダスズメ)
愛称:すずぼん(鈴凡)

昭和に生まれ育ちました。
ゆるゆると生きております。
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とさせていただいております。
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